起きてしまったことについて理由を知る

あなたの身の回りに常に湧き上がってくる問題って様々ありますよね。

その問題の本質って何でしょうか?

その問題の解決策や正解は、今まで学校で学んできたことですぐに解決できたでしょうか?

「そんなに簡単な問題なんてない!」って声が聞こえてきますね。

日本の学校教育である義務教育は9年間、その先大学校まで就学された方は、プラスして7年以上もの間に学んだ知識は圧倒的な量だと思います。

なのになぜ簡単に解決できないのですか?

社会人として世の中に入った途端に、簡単に解決できないことばかりが起きていると思いませんか?

その理由は、学校教育の内容が時代錯誤に陥っているのでしょうか?

あなたの学びが足りなかったのでしょうか?

社会で発生する問題が複雑すぎるのでしょうか?


教科書、授業は先人たちの知恵を最高の効率で、子どもたちに伝えていく非常に優れたシステムになっていると考えます。

日本人の戦後教育には種々の議論がありますが、義務教育を過ぎてきた日本人の識字率は99%に登り、世界ランキングは28位に位置しています。

※このランキングは米CIAのワールドファクトブックにもとづいており、国ごとに調査年が異なる場合があります。


一方で大人、それも比較的に高年齢の方々から「もっと学校で勉強しておけばよかった」と後悔の声をよく伺います。

いったい何が起きているのでしょうか?

学校教育では、最高の効率で知識を伝達することに視点が向きすぎているのかもしれません。

さらに明治維新以降の近代史、経済史は今の政治への影響が大きすぎるのか教育の場で議論することすら避けられているように感じています。

特に「お金」にまつわる教育は、2020年までは行われていませんでした。

私の理系の学生時代は、三角関数も公式の暗記、使いまわしのテクニックばかりに集中して暗記ばかりしていました。

今ではその公式の生い立ちを深く理解すれば、公式など暗記しなくてもよいともいわれるように変わってきてはいますが。

あなたは問題を解決する「手段」ばかりを記憶しつづける習慣が身に染みてしまっていませんか?

起きている事象の背景を論理的に捉え、因果関係を紐解いていく思考力は、ないがしろにされてきて、なかなか使い方が分からなくなっていると言えるのかもしれません。

そうなると問題に直面した時に、答えを出す公式を探し、公式がなければ正解は無いと考えてもいたしかたがないと思えます。

また、たまたま公式を見つけたとしても、その成り立ちを理解できていないと何をどこの項に代入すれば解答できるのかも見つけられないでしょう。

結局「難しい!」と回避、敬遠することになっていくのではないでしょうか。

しかし実際は、その問題が消えていくことはありません。

こうして回避し続けてきた問題は、下手をするとどんどん大きくなってますます手におえなくなることになりかねません。

さらに、大きくなると突然別のところから大噴火して本当に対応のしようがなくなるということも珍しくないでしょう。

社会人としての人生は、40年以上の長い時間です。

その間いろいろな問題に対峙しながら解決して進んでいかなくてはいけません。

また今は個の時代といわれ、チーム力ではなく、あなた自身の解決能力をアップしておかないと社会人として生き抜くことはとても困難になってくると言われています。

特に「お金」にまつわる知識、能力、経験は、人生を大きく動かすエネルギー源です。

その知識、能力、経験を身につけていないことはこれからの人生を安心して暮らしていくためには不安や問題が付きまとってしまうという危険を感じます。

預貯金しかしていない、資産運用など関わりたくないと言われる方も、国民皆年金の制度に入っている以上、あなたの年金の種は株式市場でしっかり運用されていることを理解する必要がありそうです。

皆さんはすでに資産形成、資産運用をしているのです。

「わかってるよ!」でもね、なかなか「やれないんだよ!」


確かになかなか「やれる」状態に出来ないことに悩んでいることも多いですよね。

現実は複雑に絡み合った状況であって、よくわからいことだらけだから問題を解決しようとしてもその考えは頭の中でモヤモヤしているだけで、この先への不安、恐ればかりが感じられ、どんよりしてしまうのではないでしょうか。

思い出してください、学生時代の定期試験を。事前に配布された問題用紙と回答用紙を前にして、時間が来たらヨーイドンで回答を探していく作業です。

私たちは、問題に解答することを求められてきました。

それは今、目に見えている現象に対しての答えだけを見つける作業でした。

一方実社会では目に見えている現象よりも、それがなぜ起きているのかの説明ができる「理由」のほうがはるかに大きな意味を持つことに気づきます。

なぜなら「理由」さえ分かってしまえば、いろいろな応用が効かせられることがわかっているからです。

その「理由」を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?

最初に、一見ごちゃごちゃしているものに対してそれぞれのつながりを探してみます。

一方で、物事を分解して考えるという思考があります。この物事のつながりを軽視した分解はそれぞれにバラバラになりやすく、全体とのつながりが希薄になっていき、逆に問題の解決が遅くなるといわれます。

このつながりがわかると、その物事は理解しやすくなります。

実は人が物事をバラバラに分解したがるのは、人間の本質であり「怖れ」に原因があると言われています。

こうした複雑であるがゆえの「怖れ」から、問題をばらばらに分解して解決を図ることをしてきてしまったため「部分最適」を生んだともいえるのです。

部分最適化は、往々にして全体の目的とは合致しない目標を追い求めるように考え方を仕向けてしまいます。

よく手段先行とか、木を見て森を見ずとか、テクニックばかりに着目した勉強に時間をかけるとか、iDeCo、NISA,株式投資の方法など手段の情報ばかり収集しているなど思いつく行動が多々あります。

では、この物事の「つながり」を考える方法があるのでしょうか?

実は「つながり」これはまさに、論理的に考えるということなんです。

「つながり」は、「因果関係」とも言い換えることが可能です。

「当たり前じゃん!」っていう感想がわいてきますよね。

ものごとは「原因」があるから「結果」が生じるのです。

さて「論理的」とか「原因」と「結果」とかなんだか小難しいことになってきたなとお思いのあなたに、その手法「ブランチ」を使った問題分析を体験していただきたいと思います。

これから、その事例をご紹介しましょう。

真ん中のBの「ボックス」に起きてしまった結果、これから起きそうなイヤな結果を書いてみます。

それを「結果」ととらえその「原因」を考えてみます。

そして、Aのボックスに書いていきます。

その原因と結果のつながりを「矢印」で繋げます。

「Aが原因となってBが起きるんですよね?」「もしAだったらBになるんですね?」と投げかけてつながりの強さを確認しながらより強い関係性のある内容を見つけていきます。

さらに、今見えている結果事象Bに対して、その先、次に何が起きるのかを想像して最上部のボックスに書いていきます。

こうすることで、まだ起きていない未来の事象にも想像が及ぶことになり、言及できる方法になるのです。

具体的に見てみましょう。

DI-T's FPオフィスの代表の中野が、60歳を前にしてこの思考方法を使って、60歳での定年退職に向かって歩みを進めてきた事例をお見せしましょう。

代表者プロフィールに詳しく書いていますが、ざくっというと「70歳で輝いていたい!」こんなイメージが湧いてきたのです。

なにをやるにも一人前になるには、20年の歳月が必要だと考えていたため、決断するのは50歳のタイミングであるとなんとなく考えていました。

そこからいろいろな挑戦をしてきたのですが、老後の生活の不安、住宅ローンの残債務もあり、大きな決断をするタイミングは定年退職の60歳と決めました。

そこで、環境情報を収集しつつ実現可能な手段を模索するなかで、具体的にどんな行動をすることが良いのだろうと考えてきたのです。

60歳まで企業の中でのんびり過ごしていたら何が起きるだろう?

その起きるであろうことは、自分が望んでいることだろうか?

自問自答してこのブランチを書き上げました。

55歳を過ぎてから転職サイトに情報開示し求職活動をしてみました。

求人件数は、ゼロでした。

そのリアルを知ってからさらに真剣に考えてきました。

そこから自ら求めて情報収集をしたり、本を読んだりすればするほど想定できる未来は決して望むべきものではありませんでした。

そこで、少し先の未来まで考えることにしました。

望まない未来を回避して、その先の望む未来に向かうには、何をしていけばいいのか?と考え、ブランチの左側を作ってきました。

その結果、発見した方向性に従って行動することによって、現在地に到達しました。