人はなぜ怖れ、不安に駆られるのか

ご存じですか?「不安」に種類があることを

「いつなにが起きるのかわからないから不安なんだよ」
「だんだん年齢を重ねるとカラダが不自由になってきそうで怖いんだ」
「新しい場所、人、仕事に向かう度にとまどってしまうのです」
「人前で話をしたり、自己主張をするのがとても怖いです」

こんな思いは、だれにでも湧き上がるものではないでしょうか。

このような思いによって、人生が楽しめないと感じている方もおられるでしょう。

「不安」や「怖れ」をあえて分類する

ご自身がおかれている環境、状況に対して沸き起こってくる不安や怖れは、自分ではコントロールのしようがないこと、自然に起きてしまうことに分けられます。
一方でご自身が、なにかに取り組むという行動を起こそうとしてときに湧き上がる不安や怖れがあります。

みなさん、ご存じですか?「不安」に種類があることを。こうして書いてみると、「不安」や「怖れ」はもう少し分解できそうです。

人は、安定を望んでいます。そして、安心していたいのです。
人は、常に安心できる場所、人間関係、健康、お金を求め続けていると言えるでしょう。

一方で湧き上がってくる「不安」や「怖れ」は、なにか変化がおきてくることを察して感じているのではないでしょうか。
それでは、「なにが何に変わる」から起きてくるのでしょうか?

ここでは、受け取る被害という表現を使ってみます。この被害を受け取るのは、「なに」でしょうか?

そう、「ご自身」ですね。

それでは、「何に」変わってしまうことを感じ取るのでしょうか。
それは身体的な被害ばかりではなく、「ご自身の心」に変化を起こしてしまいそうだと感じ取っているのではないでしょうか。

「失敗する」
「だまされる」
「イメージが壊れる」
「生活ができなくなる」

こう感じてしまうとなんとしても自分を守ろうとして、その結果、ご自身の次の行動を制限してしまっているのではないでしょうか?

自然に起きてしまうこととご自身が行動する際に起きてくることに分類される不安や恐れもすべて、ご自身の心への被害を感じていると言えるでしょう。

「不安」ってどこからくるの?

それでは、この「不安」ってどこから来るのでしょうか?
それは、「自分にはどうしようもない!」という考え方です。・・・あっさり

思いつくまま今抱えている「不安」や「怖れ」を書き出してみてください。
みなさんが書き出した思いつく不安、怖れの文章の下に「私ではどうしようもない」と追加して表現(話すと良いです)してみてください。

どうですか?

「失敗しても、私には何もできない」
「歳をとっても、私には何もできない」
「お金がなくなっても、私には何もできない」

どうでしょうか?

腑に落ちてきませんか?

そうなんです、「自分にはどうしようもない!」という言葉に「ご自身の心」がしばられているのです。

「あなたが変わってくれないから・・・」
「会社の方針が変わらない以上は・・・」
「メンバーのパフォーマンスが低いから・・・」
「学校で投資について教えてくれないから・・・」

こんな表現を時々聞きますが、「・・・」には、「私には何もできない!」と書き足すと、あなたが本当に言いたいことになることがわかるのではありませんか。

他には、チームで仕事をしている環境にいるケースでは「その方向で進めるのはいいけど、細心の注意を図ってやってね」と先輩から言われませんか? 

一見、仕事を任せてくれたように感じで頑張ろう!と思うのですが、よくよく考えると最後の言葉は「もしあなたが失敗すると、私が被害を被って立ち直れなくなってしまうからね!」という先輩ご自身の自信のなさをメンバーに伝えてしまっているのです。

特に日本人のビジネスの社会では、自分の不安、怖れを伝播させることしかしない会議が多いと認識しています。
(元某大企業エンジニア談)

あなたもできる「不安」や「怖れ」からの離脱

このように見てくると、「不安」や「怖れ」にはトラブルにあわないよう注意してくれる健全な「不安」や「怖れ」と、わけもなくダメージを与えられたり、成長をはばむ「不安」や「怖れ」があることもわかります。

それと同時にそれらの不安は、考え方によって起きているらしいということもわかります。

そこですでに起きてしまったことについて、その「理由」を知ることにより真の不安、恐れ、問題を「見える化」することを考えてみましょう。

すこし、アプローチ方法をご紹介しましょう。

まず初めに、起きてしまった問題に直面した時にいきなり、解決しよう!と意気込まないことです。
目に見えている現象よりも、それがなぜ起きているのか説明できる理由のほうがはるかに大きな意味を持つからです。

ものごとには、「原因」「結果」で結ばれる因果関係があります。

このシンプルな一点に着目して、起きたことの分解をしてみます。
ここに集中して考え、会話することで、なぜ起きたのかが腑に落ちてきます。

このように考えることに慣れてくると、イヤなことが起きるのを防ぎたい時の考え方を備えることが出来るようになってきます。
「不安」や「怖れ」から離脱する道筋が見えてくるのです。

「理由」さえ分かってしまえばいろいろな応用が効かせられるようになります。

そんな分析をやってる時間も暇もない!というあなたには、有名なお唱えがあります。

「自分でなんとかする!」

です。

とにかくあなたの不安を軽くするためには、何があっても自力でどうにかできる!と信じることがあなたの「不安」や「恐れ」から離脱する最高の手段です。

「自分でなんとかする!」